2011年2月19日土曜日

ピエタ、宣伝してみました。

明日はいよいよ、作品の舞台としても出てくる、本場国立でのピエタです。

来週の土曜日は長野県安曇野にて。

地方では初めての朗読会なのですが、優しい地元の方々が、宣伝に奔走して下さってます。
もっとあいちゃんのことが分かるものが欲しい、とリクエストを頂き、お言葉に甘えて長文ですが、こんな宣伝を送らせて頂きました。


場所がどこであっても、人とのご縁でやらせて頂いていますので、明日の国立の朗読会も同じ想いで取り組みます。
よかったら、この想いの丈の詰まった長文を読んで、月船にも、安曇野の方はふじもりにも、足をお運びください。



安曇野で『ピエタ』物語

初めまして。春口あいと申します。役者や、ヨガの教室などをしております。

この度、ご縁を頂きまして、安曇野の地で朗読会をさせて頂くことになりました。
どんな縁があったかのかというと、完全に人のご縁。
それだけです。

私にとって、安曇野は、今まで若い人々が移住してゆく土地、と言う認識しかなく、噂では若いアーティストの方も多いとか。そういう場所の提供も盛んであるとか。そういう『情報』だけの存在でした。

ところが昨年末、松本在住の方と東京でお会いして、今回ツアーをしている浅田次郎さん原作の『ピエタ』のチラシをお見せすると、『この作品に似合いそうないいお蕎麦屋さんが安曇野にありますよ』と教えて下さいました。

とはいっても、当のお店の方に会ってみないと、、、と、初めての安曇野へ行ってみると・・・。

『おそば ふじもり』へと案内されたのでした。
ご夫婦ともに、来訪者への壁を感じない、優しいかた。 
「しばらくイベントはお受けしてないんですよ」とおっしゃていましたが、なんだか奥さんの幸恵さんとは、初めてあった気がしないような。。。何とも宇宙でちゃんと用意されていた出会いのような気がしました。
お店はもちろん素敵、お蕎麦もお料理の数々も素敵、すっかり一目惚れです。
しかも、夜には枇杷灸の岩村先生のご紹介で、ライブに行きました。“ゆくりりっく”さんのライブです。踊りだす人々、気持ちよく挨拶を交わす空間、だれも背伸びしてなく、虚勢をはってなく、自然と『楽しむ』ことを共有してるみなさん。
チラシを渡しても、面倒くさい顔一つせず、もらってくださる。
東京とはまた違った温かさを感じました。

ここでやりたい。やろう。やっちゃうなこれ。

そう想い、東京へ帰りました。

その後も、素敵なお蕎麦屋さんを紹介して頂いた、というと、安曇野を紹介して下さった方々、口を合わせたかのように『ふじもりさん?』とおっしゃいます。
皆さんにこれだけ認識されているお蕎麦やさんを紹介して頂いていることに驚きました。

そうして足を運ぶこと3回。4回目の2月26日、とうとう
『ピエタ』朗読会をします。

私は役者です。
だけど、芸能人ではありません。
芸能人を目指したこともありました。
大河ドラマに出させて頂いたこともありました。
今『明日のジョー』で話題の、ちばてつや先生が一人芝居に足を運んで下さったこともありました。
コマーシャルで笑顔で出てたこともありました。
でもでも、目の前のお客さんの涙と笑いと、感動にはかないませんでした。だから、もっと身近に、気軽に楽しんで頂く、朗読会というスタイルも好きになりました。
自分で作品を選ぶことが増えました。観て下さるかたの生き様や、感受性や、これから出会う人に何を感じてもらいたいか、想像しながら、責任と覚悟をもって選びます。
人の心の健やかさの為に、お役に立てたらと思っています。

演じること、健やかなこと、幸せなこと。
全部、私で、地球で、宇宙。

これは今、独り立ちした私が心に携えているキャッチフレーズです。

実は同時に、
そして、その全部が、あなた。

と思っています。

特に朗読会は、私の言葉で、皆さんが世界を作ります。参加型です。
自然と世界が見えるように、万全の準備で私は言葉に息吹を吹き込みます。

あとは、あなたの心に見える風景を楽しんで下さい。

この作品が必要な方が、ふじもりへ訪れて下さると思っています。

愛する人が、いらっしゃいますか?

いれっしゃれば、おそらく大抵の方が心をふるわせて堪能出来る作品です。大丈夫です。芸術に疎遠でも、本を普段読まなくても、大丈夫です。

わたしは、この小説を読んで、東京の電車のなかで、ぽろぽろと泣きました。心がドキドキしました。

今度は皆さんの番です。

初めての地方公演、安曇野の地でデビュー出来ることを、深く深く感謝しています。
長文おつきあいくださり、ありがとうございました。


24日に、タウン誌にも掲載されます。ぜひ、ご覧になってください。

そして、よかったら、ふじもりへ、ご予約のお電話を。プリンの数が、足りるように。



春口 あい

まぶしいほどの満月

昨日の満月、とっても綺麗でしたね。


昇ったばかりの頃はとても大きく見えたし、南中したら、美しい銀色で、ピエタの一節を思い出しました。


というのも昨日は朗読会『ピエタ』の最終稽古。

ピエタは『月のしずく』という、すべての短編に月が登場する、素敵な短編集の最後に所収された物語です。


満月のでっかいお月様パワーで、ちょっとぐったりしていましたが、ひんやりした風が、身体を起こしてくれて、稽古に挑みました。

「全てが丸く治まるよ」、満月が、そういって、励ましてくれたような気がしました。


満月は集大成の日、ピエタのステップが、ひとつ完成した、素敵な夜になりました。